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シュミーズ港のBEST MOVIE2011

今年は割れましたねぇ!「コレ!」と言うのが無かったわりには平均点を上回る作品が多かったと思います。

<シュミーズの次郎長>
 1 ミスター・ノーバディ
 2 ゴーストライター
 3 ツリー・オブ・ライフ
 4 ゴモラ
 5 ブラックスワン
 6 ソーシャル・ネットワーク
 7 サラの鍵
 8 神々と男たち
 9 マネーボール
10 ミッション:8ミニッツ
 次 アジョシ


<でか政>
(洋画)
 1 ブルー・バレンタイン
 2 X−men ファースト・ジェネレーション
 3 ミスター・ノーバディ
 4 スーパー8
 5 宇宙人ポール
 6 ザ・ファイター
 7 猿の惑星・創世記
 8 ブラックスワン
 9 ソーシャル・ネットワーク
10 メアリー&マックス
 次 サラの鍵
   コンテイジョン
   リアル・スティール
   ザ・フォークス
   アジョシ
   ハングオーバー2
   ゴモラ
   ゴーストライター
   
(邦画)
 1 冷たい熱帯魚
 2 モテキ
 3 GANTZ1&2
 4 マイ・バック・ページ
 5 奇跡
 6 聯合艦隊司令長官 山本五十六
 7 アントキノイノチ
 8 八日目の蝉
 9 ツレがうつになりまして。
10 最後の忠臣蔵 
 次 太平洋の奇跡


<漏れる石松>
 1 わたしを離さないで
 2 イリュージョニスト
 3 アレクサンドリア
 4 ミッション:8ミニッツ
 5 ミスター・ノーバディ
 6 スーパー8
 7 ツリー・オブ・ライフ
 8 ピラニア3D
 9 戦火のナージャ
10 ミケランジェロの暗号
 次 ソーシャル・ネットワーク
   光りのほうへ
   アジョシ
   マネーボール
   127時間
   ブラックスワン
   ゴーストライター
   家族の庭
   人生、ここにあり!
   神々と男たち
   ファンタスティックMr.フォックス
   コンテイジョン
   英国王のスピーチ
   ラビットホール


<かま松>
 1 瞳は静かに
 2 サラの鍵
 3 神々と男たち
 4 127時間
 5 ラストターゲット
 6 マネーボール
 7 ラブ・アゲイン
 8 灼熱の魂
 9 X−men ファースト・ジェネレーション
10 アジョシ
 次 シリアスマン
   宇宙人ポール
   ザ・ファイター


<法院ろぶ五郎>
(洋画)
 1 宇宙人ポール
 2 スーパー!
 3 イリュージョニスト
 4 ブルー・バレンタイン
 5 ミッション:8ミニッツ
 6 ソーシャル・ネットワーク
 7 ブラックスワン
 8 アジョシ
 9 ピラニア3D
10 アリス・クリードの失踪

(邦画)
 1 その街の子供 劇場版
 2 冷たい熱帯魚
 3 サウダーヂ
 4 マイ・バック・ページ
 5 一命(2D)


<海栗すけ>
 1 サラの鍵
 2 愛する人
 3 未来を生きる君たちへ
 4 家族の庭
 5 わたしを離さないで
 6 木を植えた男(リバイバル)
 7 クリスマスのその夜に
 8 ウインターズ・ボーン
 9 ヤコブへの手紙
10 密告・者
 次 ミケランジェロの暗号
   クレアモントホテル
   トゥルー・グリット
   ソーシャル・ネットワーク
   クィック!
   RANGO
   再会の食卓
   イリュージョニスト
   レイン・オブ・アサシン
   塔の上のラプンツェル
   女と銃と荒野の麺屋

(ワースト)
 1 SOMEWHERE
 2 トスカーナの贋作
 3 マーラー/君に捧げるアダージョ
 4 探偵がBarにいる
 5 ツリー・オブ・ライフ

2011年の訃報

また、年が明けちゃいました!

1月
アン・フランシス81 色っぽいとはどういう事かと教えてくれた。
ピート・ポスルスウェイト66 あの鼻が華だった・・・
ミック・カーン52 ジャパンのベーシスト・・・奥様は日本人
山下敬二郎72 日劇、ロカビリーと言えば・・・
横澤彪74 ひょうきん族かと思ったら評論族でした。
ピーター・イェーツ82 『走れ走れ!救急車』、何処かでレンタルしてないかなぁ・・・
和田勉81 風貌と演出がピッタリ合っていました。
細川俊之71 数年前、一時期よくすれ違いました・・・見る影もなかったなぁ・・・
スザンヌ・ヨーク72 『空軍大戦略』の場違いな感じがたまらなかった・・・
桜井眞一郎82 日産(プリンス)スカイラインの生みの親。根っからの技術屋!

2月
マリア・シュナイダー59 『夜よさようなら』もお忘れなく!
永田洋子66 連合赤軍事件・・・忘れられない我が青春の重大事件の首謀者
ゲイリー・ムーア59 繊細なギターを弾く人でした。天国では本田美奈子に会えたでしょうか?
与那嶺要86 この名前が沖縄に多いと教えてくれた人。
アニー・ジラルド79『ピアニスト』『隠された記憶』の記憶も新しかったが・・・

3月
日向明子56 ロマンポルノの百恵ちゃん・・・『孤高のメス』や『白夜行』にも出ていました。
村野守美70 この人の漫画やイラストのタッチが好きでした。
坂上二郎77 忘れもしない・・・子供時代のヒーローかな。
沖山秀子66 彼女を知って、男なんてちっぽけだなぁ・・・と思いました。
ニコライ・アンドリアノフ59 まぁ、金メダルを取り捲ったソビエトの体操選手。
エリザベス・テイラー79 濃いねぇ・・・ルックスも人生も!

4月
シドニー・ルメット87 楽しませていただきました。有難う御座いました。
田中好子55 アイドルから演技派へ!病床からの肉声が・・・涙
サイ・ババ85 ところで、この人はなんだったんでしょうか?
マリー=フランス・ピジェ67 友人が『ブロンテ姉妹』を好きだそうで・・・

5月
ウサマ・ビン・ラディン54 アメリカが生んだテロリスト。
団鬼六80 SMをメジャーにした功績はもっと評価されるべき!
セベ・バルステロス54 ゴルフで優勝と言えばこの人でした。この人の前はジョニー・ミラーね。
コーネル・デュプリー69 テレキャスターの達人!
岡田茂87 元東映社長。東映ヤクザ路線を作った人。
上原美優24 貧乏をメジャーにした途端に自殺って、そりゃないよ!
サムエル・ワンジル24 北京での金メダルが頂点だったのかなぁ・・・。
児玉清78 生真面目なスタイルが似合っていました。
佐藤孝行83 ロッキード事件のニュースでサトウコウコウと発音されていました。
長門裕之77 結局はおしどり夫婦で幕を閉じました。

6月
アンドリュー・ゴールド60 70年代のウエストコーストサウンド。♪ロンリーボーイかな。
クラレンス・クレモンズ70 代々木でブルースと一緒に観ました。かっこ良かったなぁ・・・。
セーラ・ローウエル51 バタ臭いモデルでしたが、何故か親しみ易い部分もありました。

7月
ローラン・プティ87 体全体を使った魂の踊りとても言うのでしょうか・・・
宮尾すすむ77 手刀アクションと日本の社長ですかね・・・
貞永方久80 代表作は『球形の荒野』なのかな・・・
森孝慈68 浦和レッドダイアモンズは彼をなくしては語れません。

原田芳雄71 とにか残念です。もっと楽しませて欲しかったです。
中村とうよう79 我が青春の音楽案内人。
グエン・カオ・キ81 ベトナム戦争時には何度も名前を聞いたもんです。
エイミー・ワインハウス27 ミュージシャンはやはり27で死ぬのか・・・。
ダン・ピーク64 ♪名前のない馬 で有名なアメリカのメンバー。
マイケル・カコヤニス89 やっぱり・・・『魚が出てきた日』かな。
小松左京80 今の日本は本当に沈没しそうです。
伊良部秀輝42 見るからに破滅型の人でしたが、その通りになってしまいました。

8月
松田直樹34 個人的にはやたらと反抗しているイメージが・・・
前田武彦82 びっくりはしませんでしたが、皆さんいい年なんですねぇ・・・。
ジョー山中65 ♪mama do you remember “SATORI”は開けたのでしょうか?
平光清73 野球の審判と言えばこの人でした!
日吉ミミ64 ごっくん娘の男と女のお話し・・・
正力亨93 巨人のドンと言えばこの人かな。ナベツネとかじゃないだろ!
ヤコペッティ92 モンド映画(見世物映画)の生みの親。
竹脇無我67 毒のない二枚目という印象もありますが、『ヤング720』の司会者でもあった。
滝口順平80 『ぶらり途中下車の旅』のナレーターで有名ですが、元々は大声優。

9月
真田雅則43 Jリーグ創設時の清水エスパルスの守護神。
湯木博恵63 バドミントン世界女王。個人的には同時期に活躍した竹中悦子・相沢マチ子の元祖美人ペアのファンでした。
久方俊二郎90 阪神のドンと言えばこの人。
クリフ・ロバートソン88 最近では『スパイダーマン』に出ていましたね。
杉浦直樹80 クセの無いの印象なのに、実は・・・『あ、うん』と言えばこの人ですよ。
アキコ・カンダ76 踊りって凄いなぁ・・・と最初に思わせてくれた人。
山内賢68 この人はもっと悪役をやるべきだったと思いますよ。だって、悪役顔だもん!

10月
スティーブ・ジョブス56 このブログも彼が居なければ・・・無かったかもしれない。
柳ジョージ63 元はベーシスト。渋い歌声が聞こえる・・・。
椙山三太71 はっぱふみふみとか、サミー・デイビスJRのサントリーホワイトのCMとか・・・。
北杜夫84 遠藤周作、吉行淳之介、阿川弘之、佐藤愛子等と仲が良かったどくとるマンボウ。

11月
石堂淑朗79 代表作は『南極物語』『黒い雨』、でも個人的には『飛行少女』『無常』『曼荼羅』。
ジョー・フレージャー67 アリの顎を砕いた左フック!
黒沢良81 JALの城達也、ANAの黒沢良。吹き替えはゲーリー・クーパー。
成田豊82 電通社長。
立川談志75 個人的には・・・あまり。
西本幸雄91 雑誌『ナンバー』の創刊時のCMでナンバー2という存在で出演していました。
ケン・ラッセル84 倒錯した性の世界を絡ませたら天下一品。

12月
ソクラテス57 この名前でブラジルが生んだサッカー選手。
松園直己89 ヤクルトのドンと言えばこの人。
市川森一70 『ブースカ』『ウルトラセブン』『傷だらけの天使』『淋しいのはお前だけじゃない』
吉田カツ72 フジサンケイグループの目玉マークを描いたイラストレーター。
森田芳光61 晩年は?でしたが、もう一花咲かせそうな雰囲気がありました。早いよ!
上田馬之助71 金狼のヒール!『爆裂都市』に出演しています。
内藤陳71 この人くらいやってることとルックスが合っている人も居なかった・・・。

合掌。

リターン・トゥ・フォーエヴァー日本公演

<シュミーズの次郎長>

私はロックファンでしたが、フュージョン世代でもありました。
大学1年のとき、かの「オーレックス・ジャズ・フェスティバル」第一回目が開催され、この時は見逃したのですが、2〜4回は横浜スタジアムに駆けつけましたけています。
目当てはフュージョン。フレディ・ハバード、ラリー・コリエル、グローバー・ワシントンJr.、この後不幸な運命をたどった天才ベーシスト、ジャコ・パストリアスなど、錚々たるメンツの名演奏を観ています。
そんな私のフュージョン時代の総決算だったのが、1982年4月に行われたリターン・トゥ・フォーエヴァーの来日コンサートです。
場所はよみうりランドにあったオープンシアターEAST。リターン・トゥ・フォーエヴァー(以下RTF)は何度かメンバーチェンジを繰り返していますが、来日時は黄金期メンバーと呼ばれている最強の4人組がやってきました。
まずはリーダーのチック・コリア(Key.)、そしてスタンリー・クラーク(b.)、レニー・ホワイト(ds.),アル・ディ・メオラ(g.)。
私を含め20代とおぼしき若い聴衆が会場を埋め尽くし、彼らの超絶的テクニックとエキサイティングなパフォーマンスに熱狂しました。

その日、新聞を見ていた私は目を見張りました。
「リターン・トゥ・フォーエヴァー 国際フォーラムでコンサート。本日6時より当日券発売」
私の頭の中に、29年前の熱狂が蘇りました。
行くっきゃない。
私は5時半に会社を脱出し、飛びぬけるように国際フォーラムに向かいました。

ロック・ファンがフュージョンに入ってゆくひとつのパターンに、プログレファンがより高い音楽性を求めてジャズを覗いてみる、というものがありますが、私などは典型的なこのパターンです。
RTFやリーダーのチック・コリアのソロ・アルバム、RTFでデビューした天才ギタリスト、アル・ディ・メオラの「白夜の大地」や「エレガント・ジプシー」、そしてジェフ・ベックと一緒に来日し日本のロックファンの度肝を抜かしたスゴ腕ベーシスト、スタンリー・クラークらのアルバムは、まさに私にとっての登竜門でした。
今回のメンバーは、チック・コリアとスタンリー・クラークとレニー・ホワイトは同じ、残念ながらディ・メオラは参加していませんが天才ギタリストの誉まれ高いフランク・ギャンバレが参加しています。

そして何より特筆すべきは、フランス人ヴァイオリニストのジャン・リュック・ポンティの参加です。ポンティはジョン・マクラフリンのマハビシュヌ・オーケストラに在籍し、その後ソロで良い仕事をしていますが、RTFのメンバー同様、マハビシュヌ・オーケストラやポンティの音楽も、プログレ→フュージョンと辿ったものなら絶対に通る道でした。

国際フォーラムの座席を埋め尽くすのは、29年前にオープンシアターEASTにいた連中に違いありません。
30代がちらほらいる以外は、40代〜50代のいにしえのジャズ/フュージョン・ファン。おそらくエアロスミスのコンサートも同じような年齢層なのでしょうが、たぶん雰囲気はかなり違うでしょう。私以外は、みなどことなく知的な雰囲気を持ち、少し金を持っていそうな連中が目立ちます。

さて肝心の演奏ですが、前回は彼らも若く、聴衆はそれ以上に若かったわけですが、今回ステージで演奏しているのは言ってみれば老人であり、テクニックは昔のままですがやはりパワフルなパフォーマンスで観客を圧倒する、という演奏ではありません。
その代わり、大人になった聴衆たちに、本物の音楽をしっかり聴かせる、という姿勢がありました。そして、彼ららしい、実にアットホームで暖かい雰囲気も、大人の観客の心に届くものだったと思います。
しかし、それでもRTF。クライマックスで演奏された名曲「スペイン」では観客と一体化し、大いに沸かせます。
そしてアンコールは、なんとスタンリー・クラークの名曲「スクール・デイズ」。これはやられました。観客はもちろん総立ちです。ステージが終り、彼らは聴衆に手を振り、握手をし、去ってゆきました。

あれから29年。よみうりランドまで車で連れてってくれ、近くのファミレスでステーキを食べさせてくれた父は今、病床にあります。
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モテキ

<でか政>

最高に面白かったTVドラマからの劇場版。そして、その後を描いたオリジナルストーリーの今回も期待を裏切らない出色の出来映え!藤本幸世最高っす!面白い!一番ウケたのは、るみ子(麻生久美子)のキャラ。居るよねぇ!嫌いじゃないけど(自爆)。まぁ、麻生久美子だから耐えられるけど、ぶっちゃけ!現実ではキツイだろうなぁ・・・(苦笑)。ただ、るみ子のキャラが活きたのもその前のシーンからの流れが巧みだからなんで・・・ギクシャクした二人→突然の関係→お久しぶりの再会→バックステージ→同居人の素性→ガード下と続く中で、幸世の心模様が手に取るように分るんですよ。男の子として荒んでいく胸の内がね。とにかく、TVドラマにハマった人には間違いなくウケるとは思いますよ。オープニングからモテキ的テンポの良さが炸裂で安心安心!始まる前は4人もの女優(長澤まさみ、麻生久美子、仲里依紗、真木よう子)を出してどうなの?と思ってましたが、上手いこと交通整理していました。仲里依紗の必要性?そんなの「そういうメイクの人、嫌いなんです!」の一言で十分でしょ!『モテキ』って基本的には内容は浅いんだけど、男の子にとって普遍的なコトだったりするんですよ。まぁ、子供には分らないだろうけどね。エンディングは妄想だと思ってますので、今後も成長した藤本幸世君が観たいです!「成長出来ない!」だと!人を好きになるのに理屈語ってんじゃねーよ!でも、それが現実〜♪
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それにしても「アンダーグラウンドは死んだ!」と言われて久しいですが、オカズにサブカルチャー色満載のこういう映画が平日月曜日の午前9時20分の回で4割がた埋まっている上に「B’zなんか唄わないから!神聖かまってちゃん!聴くから!」なんて台詞に観客が爆笑しているって・・・もうアングラやサブカルチャー(ここでは同意語と扱っておりますが、個人的にはアングラとメジャーの間がサブカルかな・・・)ってメジャーでしかなく、っつーか、逆にメジャーが無くなって来ているのか、もう分らない状態ですわ!ウォークマンやゲームボーイから始まったパーソナル・エンタの世界、そしてワールドワイドなメジャー媒体とも言えるネットとツイッターが幅をきかす今の世の中の行きつく先が「こういうこと!」なんでしょうねぇ・・・え?auからi-phoneが出るんですか?そりゃ、買いだな(/・_・\)アチャ-・・。監督はTVドラマと一緒で、大根仁。

アウトバーン 組織犯罪対策課 八神瑛子/深町秋生

<シュミーズの次郎長>

「果てしなき渇き」で「このミス」大賞を受賞した作家の最新作。ベストセラーになっているようです。
「果てしなき渇き」はおそらくジェームズ・エルロイの影響下にあるノワールな警察小説ですが、文章力そしてストーリーテリングはなかなかのものであり、個人的には馳星周の「不夜城」などよりよほど面白かったと思います。
(ちなみに2作目は、学園ヒエラルキーをテーマにした「ヒステリック・サバイバー」。)
主人公の八神瑛子はマル暴の刑事です。この捜査のためには手段を選ばない女刑事がなかなか個性的で、登場人物たちにもそれなりの魅力があります。
例によって語り口が巧みであり、サクサクと読めてしまうのですが、重みという点では若干物足りません。(ちょうど最近「新宿鮫」最新刊を読んだということもあると思います。)変なたとえですが、石田衣良の「池袋ウエストゲートパーク」をもう少し重くした、という印象です。ただし娯楽小説としては十分な面白さを持っています。
最近のこの手の小説、つまり警察小説や犯罪小説という意味ですが、昔と明らかに違うのはそこに中国系マフィアという日本のルールに則らない連中が登場することです。
そのため、以前なら日本の風土においてあまり説得力のなかった暴力シーンや銃撃シーンなどに妙なリアリティが生まれるようになりました。作家たちは彼らの存在に感謝すべきではないでしょうか。

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ゴースト・ライター

<シュミーズの次郎長>

まさしく、「高級娯楽映画」の趣です。こういう作品を大人の映画と言うのでしょう。いまどきの派手なアクション映画や無理やりなどんでん返しばかり見せつけるサスペンス映画に麻痺した観客には、この悠々と流れる豊穣なスコッチのような味わいは理解出来ないかもしれません。
とにかく(特に70年代に)「この手の映画」に親しんだ私のような人間にとって、これは一種のご褒美のような映画であり、巨匠の余裕をかました円熟の技巧を十分に堪能させてもらいました。
特に、そこはかとない緊張感の中、節々に織り込まれたユーモアが絶妙です。「チャイナタウン」の頃のギラギラした才気が、見事に熟成して出来あがった名人芸。
しかし、やはり劇場を埋め尽くしたのは、私か私以上の年齢層の観客たち。間違って「ゴーストライダー」だと思って来てしまった観客もいないようでした。
いまだ放浪者であり続ける映画作家ロマン・ポランスキー。私たちは、いつまで彼の仕事と付き合えるのでしょうか。
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ツリー・オブ・ライフ

<シュミーズの次郎長>

待ちに待ったテレンス・マリックの新作です。今回は、どういうわけか普通の映画として宣伝され、全国のかなり多くのスクリーンで上映されました。
そのため、普通の映画だと思って観に行った多くの観客が混乱に陥り、ネット上では「わけわからん」「金返せ」の大合唱。だってテレンス・マリックの映画だぜ、おまえら誰か「シン・レッド・ライン」観たのかよ、と私などは考えるわけですが、もちろんそんなこと彼らの知ったことではありません。

(ネタバレあり)

詳しい内容に関してはあまり触れないでおきますが(正直面倒くさいというのはあります)、私は大変気に入りました。テレンス・マリックは、巨視的な観点から捉えた人間の小さな営みを描いてきた映画作家ですが、今回はなんと、連綿と続く宇宙と地球の歴史の中で、人間たちの断面のようなドラマを捉えようと試みました。マクロとミクロを、同じ階層で描いてきたテレンス・マリックの、まさしく集大成と言えましょう。
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それにしても、私はまさか、テレンス・マリックの映画で恐竜や首長竜の映像を観ることになるとは思いませんでした。
私の好きな恐竜画家に、ダグラス・ヘンダーソンという人がいます。この人の特徴は、普通恐竜画家たちが、当たり前ですが「恐竜」を描こうとするのに対し、「恐竜のいる中生代の風景」を描こうとするところです。
この作品の恐竜の映像を観て思い出したのが、そのヘンダーソンだったわけです。さすがはテレンス・マリック、浜辺に横たわる首長竜の映像などはまさに「風景」であり、恐竜だの首長竜などをこんなに詩情あふれる映像で表現出来る映画作家はいないでしょう。
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宇宙の映像も大変美しく、SF映画ファンである私は、この美しい映像がSF映画で観れなかったことに、変な悔しさを覚えたくらいです。

メアリー&マックス

<でか政>

ちょっと長いのが玉に瑕ですけど、じんわりと心に染み入るクレイアニメの傑作です。ひょんなことから文通をすることになったオーストラリアに住む8才のメアリーと、ニューヨーク在住の中年男マックスの文通物語。おデコにうんこ色の痣があり、地味でいじめられっ子のメアリー。アスペルガー症候群と診断されているマックス。二人の20年に及ぶ悲喜交交の人生を丁寧(シニカル&ブラック)に描いています。

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クレイアニメは粘土で作った立体人形をコマ撮りしていくのですが、個人的にはセルアニメよりも味わい深く感じます。それは平面のセルアニメに比べて立体の分だけ、造形がリアルに表現されるからなんだと思います。長年付き合っていると、友人や知人の表情にその人が過ごしてきた人生の年輪が刻まれて、豊かな表情になってきたのが分かるのですが、この映画のメアリーとマックスにも同じようなモノを感じます。

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この作品が素晴らしいのは“人”という存在を暖かい目線で捉えているところなんだと思います。メアリーは大人になり痣も取り、人並みの幸せに恵まれます。そしてマックスにももっと幸せになって欲しいと思い、彼の為に何が出来るのか?と考える・・・それ自体は悪いことじゃない。でも、マックスにとって幸せなこととは・・・。この世の中に完璧な人なんて居ないワケで、そう考えると健常者って?障がい者って?という疑問が湧いてきます。そんなことを考えさせてくれる映画でした。

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監督のアダム・エリオットはアカデミー賞を受賞した前作『ハーヴィー・クランペット』でも障がいのある人物を描いていましたが、その目線も今回と同じように障がいも一つの個性と捉えていました。時間があれば是非!


ブルーバレンタイン

<でか政>

ネタバレしています・・・




「最初が間違ってるのよ」という言葉は同僚の女性(40代既婚)が発した言葉だ。確かにそうだ。否定しようがない。そしてオイラは同僚の彼女に「オレは石橋を叩かずに渡って落ちるタイプだけど、○○さんは石橋を叩いて壊す人だよね!」と返した。簡単に言ってしまえば“やって後悔するか?やらないで後悔するか?なんだと思う。

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映画は困難(とある理由)を受け入れ幸せに満ち溢れた二人と、5年後にどうしようもなく傷つけあいながら破局する二人を交互に描いている。当然、二人の心には結婚したことへの後悔が生まれる。しかし、とある困難な理由で二人は触れ合うこともせずに別れたとして後悔はしなかったのだろうか?そこで問われるのは、どちらが豊かな人生の時を過ごしたのだろうか?ということだ。今際で思う「そんなコトもあったわねぇ・・・・」と・・・それは貴方にとって“結婚したことなのか?”それとも“しないで別れたことなのか?”どっちなんですか?と、この映画は問いかけて来る。幸せとはどれだけ充実した人生送ったか?ということだと思う。

「愛とは決して後悔しないこと」とは某有名な映画の台詞ですが、では、何故に二人は一緒になったのか?それはその時の二人のベクトルが向いてた先が結婚だったって事なんでしょう。荒んだ環境の中、金も学もなくただただ生活を維持するために生きてきたディーン。唯一、追い求めているのは心から好きになった人との平穏な生活。そんなディーン(ライアン・ゴスリング)が惚れた相手がシンディ(ミッシェル・ウイリアムズ)でした。ディーンとは逆に教育水準も高く恵まれた環境で育ったシンディ。いつも男性からチヤホヤされて来たシンディにとって、それまでの異性は「だって、告白されたから・・・」程度の相手でしかなく、映画の中で登場する今彼もまたそのような存在(簡単に言ってしまえばジョック)なのでしょう。だから、彼とのSEXシーンは肉欲的に描かれているんだと思います。シンディの父と母は折り合いが悪く、とても愛し合っているようには見えない。彼女にとって一番幸せで居て欲しい同性である母が愛されているようには見えない苦痛。この世に“本当の愛”なんてあるのかしら・・・祖母に「愛ってなに?」と問いかける日々。それは今の彼に“愛”を感じていない証拠でもあります。そんな二人が出会い、惹かれあう・・・そこにはお互いが相手に示したい寛容さや、慈しみや、憐れみや、誤解や、盲目や、勢いや、数え上げたら切りがない様々な感情が入り混じり、二人は結ばれる。

医者になろうと勉強していた彼女でしたが、そこに“愛”があれば彼が引越し屋だろうと殺し屋だろうと問題なかった。彼にしてみれば自分に収入などを求めない彼女もまた新鮮だった。ところが、一緒に暮らすようになれば価値観の違いは如何ともし難い・・・彼女は自分の才能を信じ仕事に取り組んでいくが、彼は愛する家族と一緒に暮らしていけるだけで満足し、それ以上は求めない。彼にも何らかの才能があると信じている彼女にしてみれば、彼の向上心のなさが受け入れられない。彼にしてみればそこに愛があり、暮らしていけるだけの収入があり、何が不満なのか分からない。お互いの気持ちがすれ違っていく中で、さらに心を揺さぶるような些細な事が二人を見舞う。ペットが行方不明になり、実力で獲得した思っていた仕事がそうでなかったり、相手が気遣って発した言葉に割り切れていない自分がいたり・・・。あの時は「愛があれば!」なんて言ってたとしても、現実は容赦なく二人に襲い掛かる・・・あんなにも心に響いた彼の自作の歌♪君と撲 が5年後には鬱陶しいだけ。どちらかが悪いワケではない。恋は盲目、愛は幻なんだよなぁ・・・。とつくづく思い知らされる。だけんどもしかし!大事なのは以下に書くことです。

つまり「彼らは人生を全うし、その臨終の際で今回のコトを後悔するのだろうか?」ってことなんです。おそらく、ベッドの上で静かな微笑みを浮かべると思うんですね。でも、もし一緒になっていなかったら?子供が原因で別れていたら・・・そのコトを(死ぬ間際じゃなくても)後悔していると思います。その後、成功しようと失敗しようと、例えどんな人生を送ったとしても後悔すると思います。心から相手を好きになった刹那を見送ってはいけません。何故なら、そんな事は一生になん度もあることじゃないんですよ!っつーか、一度も経験しないで生涯を閉じる人たちだってたくさんいるんです。彼も彼女もそれが勘違いだとしても“人を心から愛する”というリングに上ったんです。というワケで最初に戻って、簡単に言ってしまえば「やって後悔するか、やらないで後悔するか?」ってことになります。そう考えると分り易いでしょ!要は石橋を叩いて渡らずにその場所で留まる人生と、石橋を叩くのを忘れて渡って落ちる人生。でもね、落ちた先にも新たな人生は必ずあるんですよ。愛は確かなモノではないから、臆病な人類は確かなモノ(収入、家柄、ルックス・・・)を欲しがるんでしょう。しかし、この世の中に本当に確かなモノなんてあるんでしょうか?花火が上がるエンディングを観ながら、サントリーのCMを思い出しました。確かコピーは“恋は遠い日の花火ではない・・・”だったと思います。そんなことをボンヤリと考えながら、こんなバッドエンディングの恋愛映画を見終わった後なのに「やっぱり、人を好きになるっていいなぁ・・・」なんて思ってたりしたオイラは、極めつけのアホなんでしょう。

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この映画は、簡単に言ってしまえば中卒ヤンキーと女子大生の恋愛。価値観の全く違う二人が上手く行くはずがない!単にそれだけの話。それなのに、ここまで色んな話が出来る映画はなかなか無いですぜ。さすがに脚本に10年以上の歳月をかけただけはあります。原題でもある“Blue Valentine”はトム・ウェイツの曲から取られているそうです。アメリカでのバレンタインディは赤が基調で日本と違い男性から女性への告白が多いと聞きます。“青いバレンタインディ”とは“憂鬱なバレンタインディ”。つまり、振られた男の歌です。

そして、祭りの準備は続く・・・原田芳雄さんを偲んで

<でか政>

原田芳雄さんが亡くなりました。とても素敵で大好きな役者さんでした。ドラマや映画の登場人物を見て「原田芳雄が出てるのなら観てみようかなぁ・・・」と、いつも思ったものでした。自分にとっての最初の出会いはTVドラマの『5番目の刑事』だったと記憶しています。後の松田優作に引き継がれる型破りな刑事の先駆けでした。原田芳雄の立ち位置は、基本的にはアウトローなんですけど、しっかりと生きている感じがして、その辺が破滅型の萩原健一(こちらも好きですけど・・・)とは違うとこなんでしょうね。個人的には『竜馬暗殺』『祭りの準備』が双璧ですが、一番心に焼き付いているのは『祭りの準備』でのラストシーンです。というワケで、以前に書いた原稿をアップします。

原田芳雄様、安らかにお眠りください。ありがとう御座いました。

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<祭りの準備>

夜の砂浜・・・波打ち際を歩く楯男と涼子。

楯男:「新藤兼人という脚本家が言ってた。誰でも1本は傑作が書ける、それは自分の周囲の世界を書くことじゃと。」
涼子:「楯男さんもそうしたらぁ♪」
楯男:「だけど何がある?ボクの廻りにシナリオになるようなことは何もない・・・興味があることは少しあるけど・・・」
涼子:「聞かせて!楯男さん♪」

<楯男が話しだしたのは、隣人の泥棒兄弟で兄が服役中に兄嫁を寝取る弟(原田芳雄)の話>

涼子:「あたし、そんな話は感心せん(◎`ε´◎ )ブゥーー!」
楯男:「これ、ほとんど事実じゃき!Σ( ̄□ ̄;)」
涼子:「労働者階級を描くのなら、どうしてもっとたくましく生きていく姿を描かんの!楯男さんはセックスのことばかりに異常に興味を持ちすぎるのよ(◎`ε´◎ )ブゥーー!」
楯男:「オ、オレは物を書ける人間じゃなかぁ〜(頭抱悩)」

お馬鹿な会話ですねぇ、当時、映画館で大ウケしてしまいました(苦笑)。映画は75年作品『祭りの準備』。脚本を書いた中島丈博の自伝的色彩の濃い作品と言われ、監督は前年『竜馬暗殺』で素晴らしい手腕を見せた黒木和雄。この作品は二人の最高傑作とも言える出来映えに仕上がっています。

舞台は50年代後半の高知・中村。信用金庫に勤めている沖楯男(江藤潤)は、いつか東京へ出てシナリオライターになる夢を持っているが、しがらみから抜け出せず日々悶々としている。父(ハナ肇)は女好きで家には寄り付かず同じ村の中であっちこっちをてんてんと・・・そんな父に見切りをつけている母親(馬渕晴子)は楯男を溺愛。祖父・オジイ(浜村純)は漁師だがボケが始まっている。隣りに住むのは泥棒一家(兄嫁・杉本美樹、弟・原田芳雄)と大阪帰りでヒロポンのやり過ぎで頭がオカシクなってしまった妹・タマミ(桂木梨江)。原田を取り巻くチンピラ。仕立屋で身体障害者の息子とその母。父の二人の愛人。楯男の幼馴じみの涼子(竹下景子)は左翼かぶれで、ノンポリの楯男にモノ足りない気持ちを抱いている。映画は主人公の楯男がそんな人達に囲まれながら、東京へ行く(祭り)決心をするまでのドタバタ(準備)ぶりを描いています。

今の若い人たち(これって嫌な言葉だなぁ・・・)が観たら滑稽にしか思えない映画かもしれませんが、この作品はオレにとって、あの頃の悶々とした胸の内を代弁してくれた映画でした。観たのは大学2年、学生生活にも慣れてきて友人達と毎日好き勝手なコトをやりながら、やがて来るであろう“祭り”に漠然と備えていた頃、まさに“祭りの準備”の真っ只中だったのです。環境は違えど楯男の苛立ちに共感できるところが多々ありました。

オジイが楯男を押しのけて聖なる命の炎を燃やす。その凄まじき営みを目撃した楯男は叫びながら夜の砂浜を駆けるシーン。お固くてウブだとばかり思っていた涼子が自分よりも大人の世界にドップリと浸っていたコトを知った時の言いようのない心模様。そして恋焦がれていた涼子もただのつまらない女性に見えてしまう理不尽な気持ちの彷徨い等等。映画の中で象徴的に何度も登場する海辺の木に結ばれた赤い布・・・潮風に吹かれ続け、ボロボロになりながらも飛ばされず踏ん張っている。それは誰もが経験する可笑しくも切ない季節を現しているのでしょう。 

そして時は経ち・・・いつのまにかウン十年!“祭り”はやってきたのでしょうか?そもそも“祭り”の準備をする人間にとってはドコからが“祭り”で何処からが“準備”なんでしょうか?つまり“準備”をしている時から“祭り”は始まっているし、“祭り”が終われば次の“準備”が始まるワケです。というワケで、未だ“祭り”がやって来ないので、オレの“祭りの準備”はまだ続いているようです(苦笑)。ひょっとしたら、死ぬまで“祭り”はやって来ないのかもしれません。準備し続けるだけの人生ってワケです。しかし、それが人の一生なのかもしれません(笑)。え、“人”のじゃなくて“オマエ”のだ。って!あ、そうでした(苦笑)。

では、ラストシーンでの原田芳雄の無様な万歳はオレにも向けられているモノだと解釈してもいいですよね(笑)。それにしても、あんな素敵な万歳はそうはないでしょう。一生に一度でいいからやってみたいモノです。あ!オレの“祭り”もまだ来てないんだから、万歳をしてもらえる可能性もまだあるワケですね(おいおい!)じゃ、自分の周りのコトでも書いてみるかなぁ・・・うん?おっとぉ、ヤバイヤバイ!書けねぇ!書けねぇ!お後が宜しいようで。

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